家庭ネットワークでマルチホーム

通常,一般家庭のインターネット接続は,ISP 1つの接続につながっています.これをシングルホームと言います

TCP/IP では,他点との接続は複数持つことができ,パケットをどの経路で送るかは,ポリシーを設定する事で自由に決められます

こうした,複数の接続をもった環境を,マルチホームと言います

一般家庭でマルチホームを行う場合,シングルホーム用に設計された機器を使おうと考えると,いろいろコツが必要になってきます.一番簡単なのは,マルチホームに対応したルータを使うことです.YAMAHA の RTX1200 などは,マルチホームに対応しています

電器店などで売られている格安ブロードバンドルータは,ルータという名前は付いていますが,実際には簡易的な L3スイッチ,ゲートウェイ,ブリッヂなどの機能が付いた特定用途向けで,これを使ってのマルチホーム環境の構築は容易ではありません

インターネット側からのパケットに対しては,それぞれの接続を使ってパケットが通信されるので,シングルホームと変わりません

しかし,BBルータの内側からのパケットは,ルーティングテーブルが無ければデフォルトゲートウェイへ抜けていきますから,マルチホームとはいえ,経路は片方しか使わなくなってしまいます

ipfw などを使って,ランダムにゲートウェイを選択する,ゲートウェイに障害があれば,他方のゲートウェイを使う,といった仕掛けをしないと,マルチホーム環境を活かせません